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『あいたくて ききたくて 旅にでる』メディア掲載情報

『あいたくて ききたくて 旅にでる』メディア掲載情報

敬称略、一部抜粋にてご紹介いたします

・2020年8ー9月 暮しの手帖 第5世紀7号 評者:熊谷由佳[丸善 名古屋本店]

戦争や災害、社会情勢、そして日々の生活の中から、新たな民話が生まれているのだと、この本のあちらこちらから感じられる。話を引き出す力、聞く力。誰彼かまわず語られるのではなくて、語るべき開いてが現れるのを、ひっそりと待っている。そこに和子さんが運命的に現れ、これを絶やしてはならないという使命感をもって書き起こし、その50年間の情熱が一冊の本となった。
・2020年7月号 群像 エッセイ「彼女の本も旅にでる」清水チナツ[PUMPQUAKES]

災厄は政治や社会の問題を暴き、憤りや不安は日々募る。しかし、人を突き動かすのは、明るい動機ばかりではない。世界はパンデミックの渦中にあるが、戦争を生き抜いてきた彼女の歩みは、諦めや冷笑からは、ほど遠い。
・2020年6月号 美術手帖「新しいエコロジー」編集部のおすすめ

​つづられた18の物語から伝わる真摯な姿勢、そして物語を受け継ぐという覚悟に圧倒される。
・2020年6月18日 週刊新潮 評者:都築響一[編集者]

ただの主婦が聞き集めた「下から目線」の民話集ーー民話採集というと柳田国男、宮本常一といった大家がすぐ浮かぶが、小野和子さんがすごいと思うのは、自信がないところ。(…)こんなになってしまった日本だけど、こんなに近くに、こんなに美しいものがまだあると教えてくれた著者に、深く感謝を捧げる。
・2020年5月26日 読売新聞 東北版

​民話採訪50年一冊にー東北の昔話や経験談
・2020年5月17日 河北新報

本書は採訪の旅を振り返り、語り手たちの姿を生き生きと描く。(…)著者の旅路をたどると、民話と現実の世界の近さに驚く。「本当の話だよ」。そっとささやく語り手たちの声に耳を傾けたくなった。
・2020年5月 北海道新聞 評者:前野久美子[book cafe 火星の庭 店主]

この本は「遠野物語」とも「苦海浄土」とも並ぶだろう。優れた本は作者だけで書かれるのではない。生者と死者、風や山木が一緒になって書いているという気がした。
・2020年5月2日 毎日新聞 評者:堀江俊幸[作家]

​自由に人を訪ねて心ゆくまで話すことも、「一生懸命に」聞くことも不可能になっているいまだからこそ、私たちはあらたな〈むがすむがす〉に育つ種を確保しておかなければならない。自分を守ることだけを考えず、弱者へのまなざしを失わない語りの火を消してはならない。そんなふうに感じさせる本書は、すでに一篇の民話の域に達している。
・2020年4月9日 Dモーニング「どくヤン!」No.19 左近洋一郎[ルノアール兄弟]/カミムラ晋作

​勝者の歴史に残らない話が個人レベルで語り継がれる…これこそ「民話」のダイナミズムだと思ったぜ! 移動距離や手段…名所の有無なんかじゃあ計れない二次元の地図を三次元ばかりか四次元にもする旅。こんな「旅」もあるんだってことに気づかせてくれた名著だよ!
・2020年4月5日 朝日新聞 「折々のことば」評者:鷲田清一[哲学者]

​「わたしは負けたくないのではなく、負けるだけの力がないのだと思う」 50年にわたり東北の民話を採訪してきた小野には、現地にずけずけ言い合える友人がいる。ある日彼女が大根を干しといてやると言うので、でもお金は払わせてねと返すと、そんな水くさい奴には「やんねぇ」と拒まれた。でも、「土着」でない場所で「語り手に見合う自分」を作りださないかぎり聴くこともできないと、覚悟を決めた。
・2020年3月22日 読売新聞 評者:橋本倫史[ノンフィクションライター]

​本書が刊行されるきっかけは、東日本大震災だったという。災害が繰り返されるこの国にはー―いや、災害が起こらなくたってーー世界にはむごい地獄が溢れている。そこで紡がれる「もうひとつの世界」の真実に、耳を傾けていたい。
・2020年3月12日 ニューズウィーク日本版 評者:冷泉彰彦[作家・ジャーナリスト]

​災害や病苦、貧困、別離、死別といった悲劇を背負う時、人は個別の悲劇に向かい合ってしまうとその事実の重さに潰されてしまうことがあります。民話というのは悲劇を一種の寓話、つまり比喩を使ったストーリーとして展開することで、抽象化する知恵なのだと思います。
・2020年3月12日 週刊新潮 評者:大竹昭子[作家]

​民話の奥深さは、人間がもっている奥深さであり、そこに降りていけば平板な世界が「切れば血の吹き上がる」陰影に彩られることに気付かされた。人生でめったに出会うことのない一冊だ。
・2020年3月7日 日本経済新聞 評者:最相葉月[ノンフィクションライター]
民話に満ちた不思議と現実の結び目には、人間の悲しさと逞しさが垣間見える。小さな断片にも人々の息遣いが感じられるのは、今では鬼籍に入った人々の声が著者の体を透過し、生きた言葉として差し出されているからだろう。​
・2020年3月5日 京都新聞

形あるもの消え、胸に残った民話
・2020年3月3日 信濃毎日

「語る」とは生き抜く力ー東北各地で民話の語り手と交流